

複数の物件情報をすっきり伝える、不動産チラシの見せ方とデザイン設計
今回は、複数の不動産情報を扱う広告チラシの制作事例をご紹介します。
不動産業界における広告は、限られたスペースの中で「数多くの物件情報を、正確かつわかりやすく伝える」必要があるという難しさがあります。
今回ご紹介するチラシでは、一戸建て・マンション・土地という異なる種類の物件を一枚にまとめながらも、カテゴリーごとに整理され、視認性の高いデザインに仕上げました。
さらに、特に訴求したい物件は写真を大きく使用することで、第一印象で「見たい!」と感じてもらえる構成になっています。
ご依頼の背景と目的
クライアントは、地域に根差した不動産会社様。月ごとに発行される情報誌の一環として、最新の物件情報を掲載するチラシ制作のご依頼をいただきました。
掲載対象は、地域内の新築・中古一戸建て、分譲マンション、売地などさまざま。どの物件もターゲット層や訴求ポイントが異なるため、読み手が迷わず情報にアクセスできる構成が求められました。
ご要望としては以下のような内容が挙げられました:
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物件ジャンルごとに見やすくカテゴライズされた構成にしたい
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注目物件は目を引くよう、写真を大きく掲載したい
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間取りや価格、立地といった主要情報が一目でわかるようにしたい
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店舗への問い合わせや無料査定への導線を明確に設けたい
表面のデザイン:注目物件を大胆に見せる設計
メインビジュアルは「今月の目玉物件」
表面の上部には、今もっとも推したい物件を写真付きで大きく紹介。
間取り図・価格・特徴などを整理し、視線が自然に流れるように配置しました。
また、販売会の案内日程や、周辺地図などの情報も同一面に集約し、読者が「行ってみよう」と思いやすい導線を意識しています。
カラーや区切りで情報を分類
異なる種類の物件情報が混在しないよう、「おすすめ物件特集」「新築情報」「月別イチオシ」などのセクションに分割。
それぞれ背景色や罫線を変えることで、視覚的に整理され、読みやすくなっています。
間取り図も掲載し、具体的なイメージを補強
間取り図はできるだけシンプルに整理し、カラーで部屋の大きさや配置が直感的に理解できるよう工夫。
「リビング広め」「収納多め」「庭付き」などの特徴を補足コメントで添えることで、具体的な生活イメージへとつなげています。
裏面のデザイン:多様な物件情報を一枚で網羅
裏面では、掲載する物件の種類をさらに広げ、一戸建て・マンション・土地それぞれの情報を掲載。
限られた紙面に情報を詰め込みつつも、「読める・探せる・見やすい」構成になるよう、細部まで設計しています。
カテゴリーごとに明確に分割
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一戸建て情報:立地・築年数・価格・間取りを整理し、写真と合わせて視覚的に訴求
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マンション情報:階層や管理費・駐車場の有無など、マンション特有の情報を網羅
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土地情報:広さ、用途地域、建ぺい率など、購入検討に必要な条件を明記
このように、情報の性質に合わせてレイアウトや要素の出し方を柔軟に変えています。
価格帯やエリアも視覚的にわかりやすく
「1,000万円台〜」「駅徒歩○分」などの文言やピクトアイコンを使い、価格感や利便性をひと目で把握できるよう設計。
同じエリアの物件を横並びにすることで、比較もしやすくなっています。
問い合わせ導線の設計:行動を促す配置と強調
チラシ下部には、会社名・連絡先・営業時間・地図をわかりやすく掲載。
また、「無料査定実施中」「売却物件大募集」といった文字を目立つカラーで配置することで、見る人の行動を後押ししています。
さらに「お悩み相談」や「住宅ローン相談」など、買い手・売り手の両方に向けたサポート情報も添え、信頼感をプラス。
単に“物件を売る”という視点だけでなく、“相談できる安心感”を与える構成になっています。
見やすいレイアウトのために行ったデザイン上の工夫
1. 情報量の多さに配慮したグリッド設計
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1物件ごとの情報スペースを統一
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見出し、サブ情報、写真、間取り図の順で展開
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同ジャンルの物件を横並びにすることで、比較がしやすい
2. フォントと色の使い分け
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価格:太字+赤系で強調
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物件名・間取り:標準フォント
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解説や補足:グレー系でやや抑えめに
これにより、情報の優先順位がひと目で伝わるように調整しました。
3. 視線誘導を意識した配置
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写真→価格→間取り→補足→地図→問い合わせという流れを意識
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アイコンやラインで、読み手の視線を自然に導くよう設計
まとめ
不動産広告では、ただ情報を掲載するだけでなく、「いかにわかりやすく整理し、興味を持ってもらうか」がカギとなります。
今回のチラシは、カテゴリー分け・視認性・行動導線のすべてに配慮し、誰が見ても探しやすく、問い合わせにつながりやすいデザインを目指しました。
これから不動産チラシや広告ツールを検討している方にとって、参考になるポイントが詰まった事例です。
掲載物件が多い、紙面の制限がある、異なるターゲットに届けたい…そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください。